前回は、法人の方向けに、freeeとMFの比較を行いました。本日は、個人事業主向けに比較を行ってみます。
今回も先にまとめから。
コスト | ◯ | ◎ |
スマホ | ◎ | × |
業務効率化 | ◎ | △ |
個人事業主についても、コスト以外はfreeeに軍配をあげています。
やはりMFは家計簿アプリがメインの会社ですから、一朝一夕にはfreeeに追いつくのはなかなか厳しいのかもしれません。
コスト
freee | MF | ||||
プラン | スターター | スタンダード | プレミアム | ベーシック | ベーシック(電話サポート付き) |
月払い | 980円 | 1,980円 | ー | 800円 | ー |
年払い | 9,800円 | 19,800円 | 39,800円 | 8,800円 | 17,200円 |
まずコスト面を見ていきましょう。
MFは「ベーシック」という必要最低限の機能しか使えないプランしか用意がありません。
一方freeeは「スターター」、「スタンダード」、「プレミアム」と3つのプランがあります。どのプランでどの機能が使えるのか?は後ほど見ていきましょう。
価格をとにかくおさえたい!!という方にはMFのベーシックプラン800円は魅力的ですね。後述のように機能面ではfreeeに劣りますが、180円ほど、節約になります。
スマホ
freeeはスマートフォンにかなり力を入れており、スマホで帳簿付けをして帳票を作成し、さらに確定申告まで完結できます。こうした機能はMFはじめ他社にはありません。
※iOS版 会計freeeからカンタンに確定申告を行う場合、まずアプリバージョンを2.6.0以降にアップデートする必要がありますのでご注意ください。
※現在はiPhone用アプリ(iOS)のみ対応。
業務効率化
続いては「業務効率化ができるのか?」という観点から、機能面を見ていきます。
色々と違いはありますが、ここでは私が思う重要度の高いものだけをピックアップして記載します。
freee | MF | ||||
プラン | スターター 980円/月 | スタンダード 1,980円/月 | プレミアム 3,316円/月 | ベーシック 800円/月 | ベーシック |
消費税申告 | × | ◯ | ◯ | × | × |
レシート取り込み | △ (月5枚まで) | ◯ | ◯ | × | × |
請求書 | ◯ | ◯ | ◯ | × | × |
自動消込 | ◯ | ◯ | ◯ | × | × |
個別債権債務管理 | × | ◯ | ◯ | × | × |
IB連携振込 | × | ◯ | ◯ | × | × |
定期請求書発行 | × | ◯ | ◯ | × | × |
電子帳簿保存法対応 | × | × | ◯ | × | × |
消費税申告
まず大きな違いは、MFでは消費税の申告書が作成できないという点です。
2年前の売上が1000万円を超えていたり、前年の1〜6月の売上が1000万円を超えている等の場合は、当年度は消費税の申告をしなければなりません(いずれも税込)。
freeeはスタンダードプランからは消費税申告ができます。
ただ、980円スタータープランでは消費税申告はできません…消費税のためだけに毎月+1,000円はちょっと悩みますよね。
しかし!裏技があります。
例えば2月〜翌年1月はスタータープランで契約しておいて、確定申告をする2月だけ1,980円のスタンダードプランに契約変更し、消費税申告することも可能です。
この場合たった1,000円の負担で消費税申告書が作れますので、そこまでのコスト負担にはならないのではないでしょうか?
レシート取り込み
freeeには、領収書やレシートをスマホのカメラで撮影し、自動で帳簿付をする便利な機能があります。
画像の読み取り機能OCRの精度について、昔はあまり評判がよくなかったようですが、2018年の確定申告時期くらいから格段によくなりました。
freeeの人に聞くと、この時期にiPhoneアプリ向けの大型アップデートがあったようで、読み取り精度が97%まで向上しているようです(2018年1月時点会計freee iOSアプリのレシート読み取り機能が大幅アップデート。 読み取り機能/OCRエンジンの改善により、読み取り精度が97%に向上)。
こちらの機能、スターターでは月5枚までしか使えないので、効率化を考えるとほとんど意味はないと思います。本気で効率化をお考えなら、1,000円UPのスタンダードプランがおすすめです。
消費税のところでも書きましたが、普段は安いスターターにしておいて、確定申告の時期だけスタンダートプランに契約変更し、一気にレシートを帳簿付けするのも節約になって良いかもしれません。
ちなみに2018年6月現在、MFクラウド確定申告ではこのような機能はなく、似たような機能が「MF経費精算」で利用可能なようです。
請求書
MFは請求書作成機能は「MFクラウド請求書」という別サービスに分かれていますので、「MFクラウド確定申告」では一切請求書作成機能は利用できません。
その点freeeなら、980円のスタータープランでも請求書は月に何枚でも自由に作成できます。
また、請求書作成時にワンクリックで仕訳を記帳する機能もありますので、請求書を作成すれば帳簿付けまで自動で完了します。
自計化をお考えの方は、これでかなり記帳作業が楽になると思います。
竹市会計事務所では、請求書から仕訳を起こす際の初期設定のサポートを月1万円〜月次税務顧問のプラン内で無料で行っております。お気軽にご相談下さい。
自動消込
自動消込機能も、MFクラウド確定申告にはありません。
一方freeeなら、スタータープランから消込機能を自由に使えます。
ただし、次に解説する個別債権債務管理のできる売掛レポート、買掛レポートはスターターでは使えません。スタンダード以上のプランから利用可能ですのでご注意ください。
個別債権債務管理
freeeの強みの一つが、会計ソフトなのに個別債権債務管理ができるという点です。
こちらの機能は売掛レポート・買掛レポートで利用ができますが、1,980円のスタンダード以上のプランで利用が可能です。MFクラウド確定申告にはこうした機能はありません。
そもそも個別債権債務管理って?freeeで何ができるの?という方はこちらのアドバイザーガイドを御覧ください。
IB振込連携
freeeのスタンダード以上のプランでは、freee上からワンクリックで振込ができる機能も利用できます(一部の金融機関のみ対応)
また、freee上のデータから、全銀振込データを作成できる機能もあります。データをインターネットバンキングにアップロードするだけで振込が完了しますので、支払先が多い方はスタンダードプランの利用も検討されても良いかと思います。
こうした機能も、MFクラウド確定申告にはありません。
定期請求書発行
freeeのスタンダートプラン以上では、請求書発行を自動化できる機能が利用できます。毎月同じような請求書の発行があり、枚数が多い場合は利用すると業務がかなり楽になりますのでおすすめです。
こうした機能も、MFクラウド確定申告にはありません。
電子帳簿保存法対応
現状の税法規定では、個人事業主の場合、領収書、納品書は最低5年間の保存義務があります。保存場所も場所をとるし、ずっと保管するのはなかなか大変ですよね。
freeeのプレミアムプランでは「電子帳簿保存法」という法律に対応した、レシート類の電子保存ができる機能が利用できます。
ただ、こちら法律で決められた運用ルールがかなり煩雑なので、当事務所ではあまりおすすめしていないのが実情です。もう少し、法律が緩和されて使いやすい制度になってからご利用いただくのが良いかなと思います。
※マネーフォワードは電子帳簿保存法は未対応
いかがでしたか?不明点があればお気軽に下記よりお問い合わせくださいね
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